日本を滅ぼす『皇室典範改正案』その3 出来レースで壊される日本の未来

2026年7月17日。

『皇室典範改正案』が、成立します。

いえ、この記事を読んでいる頃には、もう成立しているはずです。

7月10日に衆議院を通過し、たった1週間です。

日本の神話の根底に関わる事柄を決めるのに、衆議院の審議は、たったの3時間。

参議院も、3時間15分。

合計6時間ちょっとで、この国は決めました。

もはやふざけているとしか思いません。

ですが、今日の記事は、それだけの話ではありません。

7月15日。

参議院での採決は、見送られました。

同じ日、憲法改正の手続きを定める『国民投票法改正案』も、参議院憲法審査会での採決が見送られました。

共同通信が、この日の昼、こう速報しています。

「国民投票法案の参院憲法審採決”も”見送り」

“も”、です。

与党は、15日に採決するつもりでした。

そのために日程を組み、根回しを済ませ、準備万端でした。

それが、ずれました。

なぜ、ずれたのか。

時事通信によれば、政府・与党内で会期延長論が強まっていることに、野党が反発したからです。

『反発があったから、ずれた。』

たった1日です。

ですが、これは大きなことです。

数の力で押し切れるはずのものが、押し切れなかった。

声が、届いたということです。

この記事では、なぜこの法案が通ってしまうのか、そして、なぜそれでも声を上げ続ける意味があるのかを書きます。

一緒に日本を再起動させましょう。


36親等から38親等の隔たりのある親族が皇族に?

「皇族が減っているから」という建前で通そうとしている改正案、それが

『皇室典範改正案』

です。

そのぶっ壊れ具合が、集約されているのが、

「36親等から38親等の隔たりのある親族が皇族になれる」

というトンデモルールです。

7月10日の衆議院・議院運営委員会にて、共産党の塩川鉄也議員の質問に対して、宮内庁の緒方禎己次長が、こう答弁しました。

旧11宮家の男系男子と、いまの天皇陛下との間には、

『36親等から38親等の隔たりがある』

36親等から38親等ですよ。

誰がどう考えても、赤の他人です。

ちなみに皇室の血筋が枝分かれしたのは、1428年です。

600年前、室町時代です。

崇光天皇の皇子・栄仁親王から始まる伏見宮の系統。

そこから600年、別々の家として流れてきた人たち。

その人たちを、今探し出してきて、養子として皇室に迎えようというのが、この改正案です。

何度聞いても、誰が聞いてもイカれてます。

天皇陛下には、実のお子さまがいらっしゃいます。

愛子さまです。

親等でいえば、1親等。

それにも関わらず、男系の子孫が正式な伝統のような意味不明な理屈をつけて、

『実の娘を外して、600年前に枝分かれした36親等の他人を探してくる。』

などというバカみたいな、いえ実際バカな法案を通そうとしているのが、高市早苗政権です。

塩川議員は、こうも指摘します。

「600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋の人を探し出して養子にする、広く国民の理解と支持を得るのは困難ではないのか?」

その通りです。

で、その問いに与党はどう答えたのでしょうか?

木原稔官房長官は、こう説明します。

「1947年に皇籍を離脱していなければ、今も皇位継承資格を持っていたはずの方々だ。」

ちょっと何を言っているかわかりません。

600年ですよ。

その理屈が通じるなら、日本人のほとんどが、どこかで皇室と繋がっている理屈です。

加えて、このメチャクチャな改正案について知っておいてほしいことがあります。

この改正案では、養子になった本人は皇位継承資格を持ちません。

資格を持つのは、その子孫の男系男子です。

つまり、

「今、赤の他人を養子として入れる目的は、その人を天皇にすること」

ではなく、

「その赤の他人の子どもや孫を、天皇にする道をつくること」

なんです。

いま生きている人のためではなく、これから生まれてくる誰かのために、皇室のかたちを変えている。

急ぐ理由が「皇族が減っているから」だと言う前提が、破綻しています。

アホなんでしょうか?


国民は、そんなことを望んでいません

はっきりさせておきたいことがあります。

国民は、そもそも、この養子案を望んでいるのか。

聞くまでもありません。

多くの国民の答えは『No』です。

日本経済新聞の社説は、こう書いています。

報道機関の世論調査では、女性・女系天皇への高い支持が目立つ。

一方で、養子案は賛否が割れ、「分からない」との声も多い、と。

つまり、国民が自然に受け入れているのは、天皇陛下の直系である愛子さまが継ぐ道のほうです。

600年前に枝分かれした赤の他人を養子に連れてくる道ではありません。

それにもかかわらず、政府が選んだのは、国民の支持が薄い方。

日経新聞は、こうも書いています。

「この養子案は、先の与野党協議では議論されていなかった項目が、唐突に盛り込まれた、あまりに拙速なもの」

政権にとりわけ厳しいわけではない新聞が、

「結論ありきで強引に進めても、国民の理解は得られまい」

と書いているんです。

国民は望んでいない。

与野党の協議でも決まっていない。

それでも、なんとしてでも通そうとする。

もう異常です。

なぜ、そこまでするのかは、

「麻生太郎の個人的悲願だから」

というのがわたしの見立てです。

ここに関しては第二弾の記事を読んでください。


参議院には、壁があるはずでした

ここからが今日の本題です。

自民党は衆議院で、単独で316議席を持っています。

戦後初めて、一つの政党が衆議院で3分の2を握った。

だから、何でも押し通せる状態です。

ですが、それは衆議院の話です。

参議院は、違います。

参議院では、与党会派は120議席。

過半数の124議席に、届いていません。

つまり、参議院は「少数与党」です。

数の力が、効かない場所。

現に、維新肝いりの『副首都法案』は、参議院で止まっています。

15日に衆議院を通過しましたが、参議院で数が足りない。

修正に応じて賛成に回ったチームみらい(2議席)を足しても、まだ2議席足りません。

だから与党が、いま何をしているか。

読売新聞は「参院での過半数獲得へ少数会派と接触」と報じています。

西日本新聞によれば、与党は日本保守党や無所属会派と水面下で交渉している。

維新の議員は、こう語ったそうです。

「国民、公明の修正に乗らなくてもギリギリ乗り切れる」

中身の議論ではありません。

『頭数を、探して回っている。』

与党は、17日までに副首都法案を成立させることを、自分たちで諦めました。

そのかわりに、会期を1週間延ばして通す腹づもりです。

ちなみに、議員立法のために会期を延長するのは、異例の対応です。

それでもやる。

官邸幹部は、こう語っています。

「自維連立の重要案件。ただの議員立法とは意味合いが違う」

異例だと分かっていて、やる。

これが、いまの国会です。


では、なぜ皇室典範は通るのか

副首都法案は、参議院で止まりました。

数が足りないからです。

では、皇室典範改正案は、なぜ通るのか。

同じ参議院です。

同じ、少数与党です。

答えは、これです。

7月15日、公明党が賛成する方針を決めました。

そして国民民主党、参政党も賛成です。

与党120議席に、公明、国民民主、参政が乗る。

過半数124を、余裕で超えます。

『壁は、ありませんでした。』

正確に言えば、壁はあった。

でも、野党が、その壁を開けたのです。

副首都法案は止まった。

皇室典範は止まらない。

同じ参議院で、同じ会期で、片方は止まり、片方は通る。

違いは、ひとつだけです。

『野党が、乗ったかどうか。』


与党は、皇室典範のために日程をずらしていた

もうひとつ、与党側の証言を紹介します。

副首都法案は、本当は14日に衆議院の委員会で採決される予定でした。

それが、見送られました。

なぜか。

テレビ朝日の報道によれば、複数の自民党幹部が、こう明かしています。

「(15日に参議院で皇室典範改正案が審議入りするのを前に)影響を与えないように見送った」

法案の中身の問題ではありません。

『皇室典範を通すために、他の法案の日程をずらした。』

自民党の幹部が、そう認めているのです。

何を最優先しているのかが、これではっきりしました。

さらに読売新聞は、こう報じています。

政府・与党は、皇室典範改正案を17日に成立させた上で、延長分の日程を使って副首都法案などの成立を図る方向に傾いている、と。

順番が、決まっているのです。

まず、皇室典範。

それから、他。


それでも、1日ずれました

ここが、今日いちばん大事なところです。

与党は、15日に採決するつもりでした。

日程も組んでいました。

数も揃っていました。

押し切れるはずでした。

それが、ずれました。

理由は、時事通信が書いています。

政府・与党内で会期延長論が強まっていることに、野党が反発したからです。

たった1日です。

法案は、17日に通ります。

止められませんでした。

ですが、動いたのです。

数が揃っていて、日程も組んであって、押し切れるはずだったものが、反発によって、ずれた。

『声は、届きます。』

1日しか動かなかった。

でも、1日、動いた。

もっと大きな声なら、もっと動きます。

これは、証明されたことです。


止めた野党と、止めなかった野党

参議院で、この法案に最後まで抵抗したのは、立憲民主党と、日本共産党です。

とくに共産党は、本気で止めにかかっていました。

あの36親等の答弁を政府から引き出したのも、共産党の質問です。

そして立憲民主党は、16日、参議院に修正案を出しました。

「旧11宮家の男系男子の養子縁組」の規定を、削除するという内容です。

つまり、36親等の話を、丸ごと抜く。

これが通れば、法案は骨抜きになります。

立憲の長浜博行議員は、参議院の委員会で、こう批判しました。

「象徴天皇制のありようを破壊しかねない暴挙」

問題は、それ以外の野党です。

7月10日、衆議院で賛成に回ったのは、維新、国民民主、中道改革連合、参政党。

野党でありながら、与党の法案に、賛成した。

これは、わたしだけが感じている違和感ではありません。

政治取材を40年続けてきたジャーナリストの城本勝さん(元NHK解説委員)は、こう書いています。

「国家の基本的なあり方にも関わる法案が、これほど”静謐”に衆議院を通過した例は、記憶にない」

そして、

「本気で抵抗しようという野党がない」

とも書いています。

40年間、真剣に政治に眼差しを向けてきた人が、このひどい有様は初めてのできごとだと、おっしゃっているのです。

さらに、こんな証言もあります。

賛成に回った中道改革連合からは、4人の造反者が出ました。

党の方針に逆らって、反対した議員が4人いた、ということです。

その中道の関係者が、城本さんの取材に、

「党内がまとめられないから賛成するというのは、野党としては情けないこと。」

と漏らしています。

止めたかったわけではない。

まとめられないから、賛成にした。

野党の内側から、そういう声が出ているのです。

なぜ、野党なのに、与党の法案に賛成するのか。

形式上「野党」を名乗っているのに、肝心なところで「与党」に手を貸してしまう。

なぜ、こんなメチャクチャなことが起こるのか?

ここから先が、今日の核心です。


政党というラベルで判断してはいけない

7月10日、衆議院で『皇室典範改正案』に賛成したのは、

自民党
日本維新の会
国民民主党
中道改革連合
参政党

反対したのは、

日本共産党

だけです。

では、もうひとつの法案を見てください。

15日に採決が見送られた、『国民投票法改正案』。

憲法改正の手続きを定める法律です。

これを共同で提出したのは、

自民党
日本維新の会
国民民主党
参政党

4党です。


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そのうえで、今わたしたちに何ができるか

法案は、17日に通ります。

止められませんでした。

でも、1日、ずれました。

反発があったから、ずれたのです。

数が揃っていて、日程も組んであって、押し切れるはずだったものが、動いた。

だから、ここからできることが、3つあります。

1つ目は、忘れないこと。

誰が賛成し、誰が反対したか。

記録は残ります。

次の選挙まで、覚えておく。

政治家がいちばん恐れるのは、忘れない有権者です。

2つ目は、広げること。

36親等から38親等。

この数字を知っている人が、どれだけいるでしょうか。

実の娘を外して、600年前の他人を探してくる。

この一言で、説明は足ります。

3つ目は、声を上げること。

効きます。

1日、動いたのが証拠です。

参議院は、数が足りていません。

だから、世論が効く場所です。

そして、会期は延長されます。

まだ、終わっていません。


わたしがこのメディアを「REBOOT JAPAN」と名付けたのは、再起動したいからです。

今の日本は、電源が入ったまま、フリーズしている状態です。

画面には「民主主義」と表示されている。でも、中では何も動いていない。

再起動には、まず、フリーズしていることに気づく人が必要です。

誰かが都合よく作ったナラティブ(物語)を疑い、自分で思考し考えることができる人。

そういった人が増えていけば、この国はまだ立て直せると思います。

一緒に日本を再起動させていきましょう。

次回、第4弾。この法案が通ったあと、本当に狙われているものについて書きます。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

小山田まき

コメント一覧

  1. 小山田様

    いつも拝読しています。パワーいただいてます。統一協会や日本会議というワードはもう出てきたと思いますが、日本国内で統一協会は解散命令が出ています。それては関係なく、自民党内に高市を始めとして統一協会の力が巣食っていてコントロールされているから、全ていいなりになっているのでしょうか?首謀者は誰なのですか?
    麻生太郎🟰統一協会&日本会議 なのですか?これについても教えてください。

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