2026年7月28日、16時27分。
熊本県で、震度7の地震が起きました。
まず、被災された方に、心よりお見舞い申し上げます。
この記事では、今回の災害によって見えた
政治の優先順位
についてお伝えします。
間違いなく、この国の政治の優先度は狂っています。
そして、それによって、日本は30年間停滞してきた。
わたしは、今回の件で確信しています。
それをこの記事で解体していきたいと思います。
震災を政治批判に利用するな
本題に入る前に、ひとつお伝えします。
こういった切り口で記事を書くと
「震災を政治批判に利用するな」
という方がいらっしゃいます。
ですが、それは全く逆の話です。
有事のときにこそ、平時では見えない政府の姿勢が、可視化されます。
普段は予算書の中の数字でしかないものが、見えるかたちになって現れる。
だから、そこに目を向け批判しなければならない。
それは、紛れもない国民の権利です。
これは災害の問題ではなく、優先順位の問題だと、わたしは捉えています。
今回は、5つの章で見ていきます。
・熊本の体育館で、クーラーがあるのは13.4%
・ミサイルは、全国で真っ先に熊本へ届いた
・国民負担率46.2%、税収は5年連続で過去最高
・台湾は、地震から3時間で間仕切りを立てた
・それでも、現場は動いている
順番に整理していきます。
1章:熊本の体育館で、クーラーがあるのは13.4%
熊本の体育館で、クーラーが設置されているのは、全体の13.4%です。
朝日新聞が報じた、2025年5月1日現在のデータです。
10棟のうち、9棟には冷房がない計算になります。
データが去年のものなので、多少は改善されているかもしれませんが、劇的に増加しているとは考えられないでしょう。
事実、今回の被災地でも、体育館にクーラーがないという状況が露見。
急遽、自衛隊の方がスポットクーラーを被災地に運ぶという事態が発生しています。
ちなみに、小泉進次郎が、この件を誇らしげに語っていました。
ですが、最初から対応していればこんなことにはならなかったのです。
話を戻します。
避難所の設備が完備されていない。
それは、全国で見ても、状況は大きくは変わりません。
公立小中学校の体育館は、全国に31,830棟。
そのうち冷房設備があるのは7,236棟で、設置率は22.7%です。
文部科学省の、2024年5月1日現在の数字です。
都道府県別では、東京が92.5%と突出しています。
大阪49.2%、山形43.4%と続き、最低は岩手と佐賀の0.8%。
念のためですが、この体育館というのは、ただの体育館ではありません。
公立小中学校の体育館の93%、29,678棟が、災害時の避難所に指定されています。
災害大国日本において避難所になることが、あらかじめ決まっている体育館の数字です。
夏に地震が起きれば、人が寝泊まりすることも、あらかじめわかっている。
わかっていて、その対応が、ここまで後手にまわっている。
これを政治の怠慢と言わずしてなんと言えばいいのでしょうか?
「それは自治体の仕事ではないか?」
という意見が上がります。
それは違います。
もう一度言います。
政治の怠慢です。
確かに実行するのは地方自治体かもしれません。
たしかに設置は自治体の事業です。
ですが、国が交付金を設けて導入を後押ししています。
屋根の遮熱塗装や、窓の遮光フィルムにも補助金があり、文科省は、2035年までに設置率95%という目標まで掲げています。
つまり、本気で国が予算をつけて自治体と連携すれば、もっと早くクーラー設備は整っているのです。
2章:ミサイルは、全国で真っ先に熊本へ届いた
2026年3月31日、防衛省は熊本に、長射程ミサイルを配備しました。
12式地対艦誘導弾能力向上型。
配備先は、陸上自衛隊の健軍駐屯地です。
熊本市にあります。
全国で初めて配備されました。
射程は約1000kmで、自衛隊として初めて、反撃能力に活用できる実践的な兵器の運用が始まった場所が熊本だったのです。
搬入は3月9日の未明です。
その日から、住民の抗議が始まりましたが、結局、住民説明会すら開かれず兵器は搬入されました。
これについても、
「クーラーの話とミサイルの話を並列で語るな。予算も部署も違う。」
という方がいらっしゃいます。
枝葉を見ればその通りです。
本来は、並列で比較することではありません。
ですが、問題のレイヤーはそこではないのです。
政治の優先度の話をしているのです。
国民への説明会を省いてでも押し進めた長射程ミサイルの配備
なぜ、それと同じように、
国民の安全を確保するための避難所の設備投資
ができないのでしょうか?
答えは簡単です。
災害時の国民の安全よりも、軍事拡大を明らかに優先しているからです。
『軍拡』と『防災』
その2つを考えるべき出来事が、熊本という地で起こったことで、可視化されました。
このタイミングで、国民は政治について、より深く考えなければならないのです。
災害時に政治批判をしないなどもってのほか。
全く逆です。
3章:国民負担率46.2%、税収は5年連続で過去最高
次はお金の話です。
2025年度の国民負担率は、46.2%です。
財務省の数字です。
内訳は、租税負担率が28.2%、社会保障負担率が18.0%。
13年連続で40%台が続いています。
正確に書きます。
「所得の半分が税金」ではありません。
税金だけなら28.2%です。
税金と社会保険料を合わせて、約46%。
そして、もうひとつ。
2024年度の国の一般会計税収は、75兆2320億円でした。
5年連続で、過去最高を更新しています。
法人税収17.9兆円は、バブル期以来の高水準。
消費税収も過去最高です。
もう好きなだけ国民から搾り取っている状況です。
ですがその国民は、いざ災害時に体育館の床で寝るはめになるのです。
絶対に怒った方がいいです。
集めたお金は、なにに使ったんだよ。
4章:台湾は、地震から3時間で間仕切りを立てた
「日本は災害が多いから、仕方がない」
そう思う方もいるかもしれませんが、全くお門違いです。
2024年4月3日、台湾東部沖でM7.1の地震が起きました。
花蓮県で最大震度6強。
規模は、今回の熊本と、ほぼ同じです。
花蓮市の中華小学校などの体育館に、避難所が開設されました。
そこに、仏教系の慈善団体である慈済基金会が、間仕切りテントを設置しました。
地震発生から、3時間も経っていないにも関わらずです。
テントの中には、折り畳み式のベッド。
女性専用のスペースと、特別介護用の就寝スペース。
冷房、温かい食事、無料Wi-Fi、充電サービス。
まで完備されていたというのです。
ここが重要なのですが、これはその場しのぎではありません。
慈済基金会は、2018年の花蓮地震で、男女の隔てもなくプライバシーが守られない状況を見ました。
そこからこのテントを開発し、2020年に台湾全土へ事前配備しています。
災害支援物資の、標準装備です。
テント1つは、2人で30秒、1人でも1分で立ち上がります。
さらに、避難所の運営責任者と慈済基金会は、年に1回、災害を想定した合同訓練を行っています。
じゃあなんで日本はやらないの?
金がなかったから?
技術がなかったから?
そんなわけないじゃん。
日本にも、プライバシーテントや簡易ベッドを作っているメーカーはあります。
能登半島地震のときにも紹介されていました。
なかったのは、政府の危機管理能力です。
補足しますが、台湾のこれは行政が直接やったものではありません。
民間の慈済基金会が主導しています。
そのため「台湾政府は偉い、日本政府はダメだ」という単純な比較にはしません。
ただ、台湾の行政は年1回の合同訓練で、その民間と組んでいました。
その結果、台湾は日本と比べ物にならない避難所の設備完備が行えたのです。
なんで日本政府はやらないの?
アホなの?
能登半島地震でも、仕切りのない体育館の床に寝る人が大勢いました。
1995年の阪神淡路でも、2011年の東日本でも、同じことが指摘されていました。
30年間なにも変わってないのです。
30年です。
絶対に許せません。
5章:それでも、現場は動いている
最後に、これは書いておかなければ、フェアではありません。
2026年7月29日、防衛省が熱中症対策として動きました。
前述した通り、経済産業省などと連携し、スポットクーラー約300台を空輸しています。
入間基地からC-2輸送機で熊本へ。
到着後は、陸上自衛隊の西部方面輸送隊が避難所などへ運びました。
それ自体は素晴らしい対応だと思います。
ですが、それで30年の怠慢がチャラにはなりません。
むしろ浮き彫りになります。
災害が起きてから、輸送機でクーラーを運ばなければならない状態を、30年間そのままにしてきたからこうなったのですから。
小泉進次郎さん聞いてますか?
30年間の怠慢は、スポットクーラーの輸送指示じゃチャラにならないんですよ。
得意げに映え写真をSNSにアップしている場合じゃないんです。
平時に備えておくのが、政治の仕事。
有事に運ぶのは、現場の仕事です。
わたしたちは、現場に助けられて、政治に見捨てられています。
なぜ、30年も変わらなかったのか
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「そんなに簡単なことが、どうして30年もできないのか」
わたしも、ずっとそう思っていました。
無能だから。
やる気がないから。
最初は、そう考えていました。
ですが、調べていくうちに、もっと嫌な答えにたどり着きました。
彼らは、無能だからやらないのではありません。
やらないほうが、得だからです。
そして、その「得」を作っているのは、わたしたち国民の側です。
ここから先は、政治批判ではありません。
なぜ日本という国が、30年間おなじ場所で足踏みしてきたのか。
その仕組みの話をします。
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それでも声を上げ続ける理由
今回、あえて書かなかったことが、いくつかあります。
ひとつは、政府が「内閣官房は運用していない」と明言した個人アカウントで、官邸対策室の設置という公的情報が流れていた件です。
これは7月23日の官房長官会見に、はっきり根拠があります。
もうひとつは、震度7の地震のおよそ1時間後に、政治資金パーティーを予定どおり開いた自民党福岡県議団会長の話です。
どちらも、次回に書きます。
有事のときに、その人が何を大事にしているかが出る。
今回のテーマは、そこに続いていきます。
国民生活が後回しにされる構図は、今回が初めてではありません。
こちらの記事でも、同じ構造を書きました。
【終わらない打撃】高市早苗「ナフサは足りる」発言の嘘
https://reboot-japan.org/takaichi-naphtha-lie-01/
国会は閉じました。
ですが、閉じている間も、政治は動いています。
動いているのに、体育館の床は変わりません。
変えるには、数を可視化し続けるしかありません。
今こそ、国民の声を上げましょう
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